ビジネススキルとは|体系や身につける方法、重要スキル6選を解説

ビジネススキルとは

仕事をする上で、ビジネススキルを身につけることが必須です。

実際、仕事に関しての悩みのほとんどはビジネススキルを身につけることで乗り越えられます。

また、仕事の成果を高めて昇給・昇格するのにも、ビジネススキルが大きな役割を果たします。

筆者自身、若手社員の頃は同期と比べてもかなりデキの悪い社員でしたが、さまざまなビジネススキルを身につけることで壁を乗り越え、人並み以上の成果を出せるようになりました。

その成果が評価され、今では100人以上が関わるプロジェクトのリーダーを任されるまでになっています。

本記事は筆者の経験をもとに、次の項目について解説します。

  • ビジネススキルとは何か
  • ビジネススキルの体系
  • ビジネススキルを学ぶメリット
  • ビジネススキルの身につけ方
  • 身につけるべきビジネススキルの選び方
  • 重要なビジネススキル6選
目次

ビジネススキルとは

ビジネススキルとは、仕事をする上で必要となるスキルのことです。

自分の業務遂行を円滑にするスキルはもちろん、チームをまとめたり効率よく思考したりする能力もビジネススキルに含まれます。

そのため、ビジネススキルの種類は多岐にわたります

また、求められるスキルは役職によって変わってきます。

カッツモデル(※)によれば、現場で活躍するチームリーダーはテクニカルスキルが求められ、上級管理職や経営層になるとコンセプチュアルスキル(判断や意思決定に必要な思考スキル)がより必要になるとされています。

カッツモデル
アメリカの経済学者ロバート・L・カッツが提唱した、管理職の職位ごとに必要なスキルの割合を示すモデル図。
論文「スキル・アプローチによる優秀な管理者への道」(1955年)の中で発表された。

このようにビジネススキルは多種多様ですが、ビジネススキルの体系を理解することで、あなたが「いま不足しているスキル」や「今後必要となるスキル」を見極めやすくなります

ビジネススキルの体系

次にビジネススキルの体系を示します。

ビジネススキル体系
ビジネススキル体系図
スキルの種類発揮される力具体的なスキルの例
思考スキル考える力ロジカルシンキング
仮説思考
業務スキル対課題力プロジェクトマネジメント
問題解決スキル
コミュニケーション
スキル
対人力アクティブリスニング
ファシリテーション
組織マネジメント
スキル
対組織力チームビルディング
コーチング
自己管理スキル対自己力時間管理
ストレスマネジメント
ビジネススキル:種類ごとの「発揮される力」と「スキル例」

上記のビジネススキル体系の通り、ビジネススキルは5種類のスキルからなっています

あなたが「今どんな力が不足しているのか」「今後どんな力を発揮したいのか」を考えることで、どの種類のスキルを重点的に学ぶべきかを見極められます。

思考スキル

筋道立てて考えたり、物事の本質を見抜いたり、固定観念をくつがえして革新的なアイデアを発想したりするためのスキルです。

具体的には、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどがあります。

思考スキルを鍛えることで、考える力が向上します。

また、思考スキルはあらゆるビジネススキルを使う際の基礎となるスキルでもあります。

考える力が十分にあれば、「スキルを組み合わせたり応用したりする」「職場の環境に合わせてスキルの使い方を工夫する」といったことができるようになり、より効果的にビジネススキルを活用できます。

ビジネススキル体系ー思考スキル

業務スキル

業務を円滑に進めるスキルです。業務遂行能力ともよばれます。

タスクを効率良く片付けたり、会議を取りまとめたり、問題を効率的に解決したりできるスキルです。

具体的には、プロジェクトマネジメントやリスクマネジメント、問題解決スキルなどがあります。

業務スキルを身につけることで対課題力が向上します。

若手からベテランまで、幅広い層に求められるスキルです。

ビジネススキル体系ー業務スキル

コミュニケーションスキル

上司や同僚、お客様との人間関係の形成や情報伝達のスキルです。

また、相互理解を深めて信頼関係を構築するために欠かせないスキルでもあります。

具体的には、ビジネスマナーやアクティブリスニング、ファシリテーションなどがあります。

コミュニケーションスキルを身につけることで対人力が向上します。

ここ数年、企業は社員のコミュニケーションスキルを最重要視しています。

そのため、若手からベテランまで全ての層で重要なスキルといえます。

ビジネススキル体系ーコミュニケーションスキル

組織マネジメントスキル

複数の人を取りまとめて、目的達成のために組織を動かすスキルです。

具体的には、チームビルディングやリーダーシップ、コーチングなどがあります。

身につけることで、組織・チームで働く力が向上します。

チームや組織全体で目標を達成するために欠かせないスキルです。

実際には、組織マネジメントスキルはリーダや管理職が使うことが多くなります。

ですが、組織力を発揮して高い目標を達成するために、組織に関わる全ての人に基礎スキルとして身につけて欲しいスキルでもあります。

ビジネススキル体系ー組織マネジメントスキル

自己管理スキル

自分自身を管理し、自分が持てる能力を最大限発揮するためのスキルです。

具体的には、時間管理やストレスコントロール、キャリアデザインなどがあります。

身につけることで、自己を律する力が向上します。

仕事で高いパフォーマンスを維持し続けるために重要なスキルです。

また、他のビジネススキルを学習する上でも、時間管理や継続する技術といった自己管理スキルが必要になります。

ビジネススキル体系ー自己管理スキル

ビジネススキルを学ぶメリット

ビジネススキルを学ぶメリットは、仕事における悩みや無力感が減り、自分の「理想」に近づけることです。

仕事をしていたら、誰しも次のような悩みを持ったことがあるでしょう。

  • もっと仕事のスピードを上げて、残業を減らしたい
  • お客様や上司とのコミュニケーションをもっと円滑にしたい
  • もっと効率良く問題解決できるようになりたい
  • 会議で議論をうまく取りまとめたい

ビジネススキルを身につければ、このような悩みが解決し「理想の自分」に近づけます

その結果、やりがいや昇給・昇格、ワークライフバランスといった「理想の未来」を手に入れることができます

やりがいが生まれる

ビジネススキルを身につけることで、仕事を効率的に進められるようになります。

すると、仕事に対する自信がつき、やりがいが生まれます。

昇給・昇格につながる

ビジネススキルを身につけることで生産性が上がります。

より大きな成果が出せるようになるため、評価が高まり昇給や昇格につながります。

ワークライフバランスが整う

ビジネススキルを身につけることで、仕事のスピードが上がります。

そのため、趣味に充てる時間や、家族と過ごす時間が増えて、ワークライフバランスが整います。

ビジネススキルの身につけ方

ビジネススキルの身につけ方には、次の手段があります。

WEBサイトを見る

本サイト「びずすきる」をはじめ、多くのWEBサイトでビジネススキルを解説しています。

また、Youtubeにはスキルの解説動画を投稿しているチャンネルが多数あります。

ビジネススキルについての知識を無料で学べるため、学習のとっかかりに最適です。

本を読む

ビジネススキルに関する書籍は、数多く出版されています。

書籍は1000〜2000円程度で手に入るため、手軽にビジネススキルの知識を学べます

特に、「まんがでわかる」系はストーリー仕立てで読みやすいためおすすめです。

通信教育

ビジネススキルを学べる通信教育も多数あります。

通信教育は、本と同じく自分の好きな時間や隙間時間に学習できます。

本との大きな違いは、講師に質問したりフィードバックを受けたりできることです。

1人では気づけない勘違いや、理解しづらいポイントを講師から教わることで、より効率的に学習できます

研修・セミナー

ビジネススキルを身につけるには、研修や・セミナーに参加する方法もあります。

研修やセミナーでは、受講者同士で意見を交換したり、ワークでスキルの効果を体感したり、受講者同士のロールプレイでスキルを練習できます。

そのため、1人で学習するよりも格段にスキルの効果や使い方の理解が深まります

特に、コミュニケーション系のスキルを学ぶには、カリキュラムにロールプレイがある研修が最適です。

学びたいスキルに関する社内研修があれば、積極的に参加しましょう。

外部の研修に個人で参加するのも、もちろんオススメです。

最近は、交通費や宿泊費をかけずに自宅から気軽に参加できるオンライン研修も増えています。

OJT(職場での実践)

ビジネススキルは、一回学んだだけではなかなか身につきません。

実務の中で繰り返し実践することで、徐々に上達していくものです。

学んだスキルは積極的に職場で練習しましょう

実際に試行錯誤することで、自分にあったコツをつかめます。

どのビジネススキルを身につけるべきか

自分が身につけるべきビジネススキルを選ぶときのアプローチには、次の2つがあります。

  • 弱点を克服する
  • 長所を伸ばす

私がこれまで見てきた限りでは、弱点を克服しようとする人が大多数です。

なぜなら、仕事でうまくいかなくて壁にぶつかった時に、それを乗り越えるためにビジネススキルを学ぼうとするからです。

ですが、筆者はこれまでの経験から、キャリアによって次のようにアプローチを変えた方が良いと考えています。

  • 若手のうちは弱点の克服を目指す
  • 中堅以上になったら長所を伸ばす

若手のうちは弱点の克服を目指せ

現在のビジネスシーンでは、人手不足なこともあり多能工が求められます。

特に若手のうちは雑用的な業務もたくさん割り振られます。

さまざまな業務を平均レベルでこなせるようになっておくと、できることの幅が広がり、チームの穴を埋められる貴重な存在になれます

そのため、若手のうちは弱点を克服し平均レベルまで鍛えておくことを目指しましょう

中堅以上になったら長所を伸ばせ

ある程度仕事の経験を積んだ中堅クラスになると、自分の得意なことがわかってきます。

また、チームで働く力も身についてきます。

そんな中堅クラスになったら、自分の長所を伸ばすことに集中しましょう

自分の長所を誰にもまねできないくらいのレベルまで鍛えれば、今後のキャリアの大きな武器となります

弱点はチームで補えばよいのです。

特に重要なビジネススキル6選

最後に、数あるビジネススキルの中でも、筆者の経験の中で特に重要なスキルを紹介します。

これらのスキルは、筆者がこれまでのキャリアの中で壁にぶち当たった時に、壁を乗り越え成長する力となったものです。

人や職種によって重要となるスキルには差があるかもしれませんが、ぜひ参考にしてください。

ロジカルシンキング

物事の仕組みを論理的に理解するスキルです。

エンジニアである筆者にとって、システムの仕様を理解したり、新しいシステムを設計したりする際に必須のスキルでした。

また、人の話を理解したり、自分の意見をわかりやすく伝えて納得してもらうのにもロジカルシンキングが役立っています。

タスク管理

ある程度経験を積むと、次第に多くのタスクを割り振られるようになります。

そんなときにタスクに優先度をつけて、効率良く仕事を進めるために必須となるスキルです。

筆者は、課せられたタスクが多すぎて混乱し、やり忘れや納期遅れが発生するようになってしまったときにタスク管理スキルを学びました。

タスク管理スキルを身につけたことで、やり忘れや納期遅れを防げるようになりました。

また、自分の限界を超える量のタスクを引き受けないことにも役立っています。

問題解決スキル

日々発生する問題を効率良く解決したり、大きな問題の真因を見つけて根本的な対策を打ったりするために必須のスキルです。

筆者もQCストーリーやなぜなぜ分析と言った問題解決スキルを学ぶことで、問題を分析して原因を見つけ、根本的な対策をうてるようになりました。

仮説思考

問題解決の際に、原因を素早く見つけ出すのに必須のスキルです。

特に、お客様のもとで発生した問題の解決はスピードが重要となります。

問題解決スキルと併せて仮説思考を用いることで、問題を素早く的確に解決できるようになりました。

ファシリテーション

企画を練ったり問題を解決したりする過程では、関係者を巻き込んで議論することも必要になります。

そんなときファシリテーションスキルが役立ちます。

筆者も、さまざまな部門の意見を取りまとめてよりよう結論を導くのに役立てています。

アクティブリスニング

アクティブリスニングは傾聴(話の聴き方)のスキルです。

筆者は、リーダーとしてチームを取りまとめ、メンバーのやる気を引き出したり、メンバーの自己成長を促したりするために、アクティブリスニングを活用しています。

よくある質問

①スキルと「知識」「資質」は違いますか?

回答:

ビジネススキルは知識や資質と混同されることもありますが、別のものです。

知識とスキルの違い

知識とは「知っていること」です。
例えば商品知識やお客様の情報などが知識にあたります。

対して、スキルとは「できること」です。
例えば商品知識を生かしたマーケティングや、お客様の情報を生かしたコミュニケーションがスキルにあたります。

資質とスキルの違い

資質とは「その人特有の性質」です。
例えば、ポジティブさや粘り強さ、仕事に対する態度や意欲などが資質にあたります。
資質は、やり方を言葉で人に教えることが難しい「その人の性格」的な要素です。

対して、スキルとは「誰でも学べる技術」です。
人に依存せず、誰でも一様に学べて鍛えれば上達する、再現性がある要素となります。

②転職に役立つビジネススキルは何ですか?

回答:

転職先の職種にもよりますが、別の職種・業界に転職したとしても役立てられるスキルは、ポータブルスキルです。

一方、同じ職種に転職するのであれば、専門スキルの方が転職活動で自身の専門性をアピールしやすいでしょう。

ポータブルスキル

ポータブルスキルとは、特定の職種や企業に限定されない汎用的なスキルのことです。
たとえばコミュニケーションスキルやリームビルディングスキルなどがこれにあたります。
どんな職種でも必要となるスキルなので、転職しても役立てられる=「持ち運び可能」ということでポータブルスキルと呼ばれます。

専門スキル

専門スキルは、特定の職種や企業に特化した専門のスキルのことです。
たとえば、ソフトウェアエンジニアにおけるプログラミングスキルや、経理における簿記などがこれにあたります。

まとめ

ビジネススキルとは、仕事でより高い成果を出すために必要となるスキルのことです。

ビジネススキルには、次の種類があります。

  • 思考スキル
  • 業務スキル
  • コミュニケーションスキル
  • 組織マネジメントスキル
  • 自己管理スキル

その体系を理解して、自分に必要なスキルを見極めて身につけていくことで、仕事における悩みが解決し、自分の「理想」に近づけます

その結果、やりがいや昇給・昇格、ワークライフバランスといった理想の未来を手に入れることができます

本サイト「びずすきる」では、さまざまなビジネススキルを解説し、あなたが理想の未来を手に入れるお手伝いをしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

新卒で就職したものの、周りの人より仕事ができなくで絶望する。
それでも、なんとか仕事で成果を出せる人間になろうと努力し勉強。
2回の転職を経て、現在はプライム市場上場企業でプロジェクトリーダーを任されるまでに成長。

そんな私が社会人歴23年で積み上げた知識や経験から学んだ「明日から使える成果に直結するビジネススキル」を発信します。

目次