仮説思考とは|あなたの仕事が加速する仮説思考の理論と実践

仮説思考とは

「仮説思考ってどういう思考術だろう」

「効率良く結論を出せるって聞くけど本当かな」

仮説思考について、そんな疑問を持っていませんか?

仮説思考を使えば効率良く結論を出せるというのは本当です。

実は、仕事ができる人たちの多くは仮説思考を使っています。(意識的か無意識かはさておき)

これまで仮説思考を使ってこなかった人も、仮説思考をマスターするだけで生産性が大きく向上できます。

本記事では、そんな仮説思考について詳しく解説します。

【本記事でわかること】

  • 仮説思考とはどういう思考術か
  • どうして仮説思考だと効率良く結論を出せるのか
  • 仮説思考の実践の仕方
目次

仮説思考とは

仮説思考とは

仮説思考とは、次のような思考術です。

今わかっているだけの情報をもとにとりあえずの仮説を立て、その仮説を検証する。

検証した結果、仮説が間違っていることがわかったら、仮説を修正し再び検証する。

仮説の検証と修正を繰り返しながら真の結論に到達する。

仮説思考のプロセス

これが仮説思考です。

なお仮説とは、最もありえそうな仮の結論のことです。

従来の思考法では、仕事で何らかの結論を出す際に十分に情報収集して、集めた情報を詳細に分析することで、一発で正しい結論を出すことを目指していました。

これを分析思考と言います。

仮説思考は、従来の分析思考とは全く逆のアプローチです。

仮説思考は、仮の結論(仮説)ありきです。

まず仮説を立て、その後に仮説が正しいかを検証するための情報収集と分析を行います。

以下に、仮説思考と分析思考の違いをまとめます。

仮説思考分析思考
結論の出し方今ある情報だけで速く仮説を立てる十分に情報を収集・分析してから結論を出す
結論に対する考え方仮説は間違っていることもある 仮説は間違っていてもいい結論は正しくないといけない
情報収集のあり方仮説があっているかを検証するためのピンポイントの情報を集める正しい結論を出すためのさまざまな情報を集める
行動に対する考え方仮説がたった時点で行動(検証)する結論が出るまで行動しない

実は、この仮説思考のアプローチを私たちは普段からよく使っています。

たとえば、平日に買い物に行くときには「今日は平日だからお店が空いているだろう」と考えます。

これは立派な仮説です。

そして実際にお店に行ってみることで、予想通り空いているか、予想に反して混んでいるかがわかります。

これが仮説の検証です。

もし、仮説に反してお店が混んでいたら、次からは「平日だからといって空いているとは限らない」と考えるようになります。これが仮説の修正です。

あるいは、何らかの資格試験を受ける場合、

これくらい勉強すれば合格するだろう、と考えます。これは仮説です。

そして試験を受けたらその合否を確認します。これが仮説の検証です。

もし、試験に落ちてしまったら「もっと勉強しないと受からない」と考え直します。これが仮説の修正です。

同僚がつらそうにしていると、

「体調が悪いのかな?」と考えます。これは仮説です。

そして、「大丈夫?体調悪いの?」とたずねます。これは仮説の検証です。

もし、「いえ、睡眠不足で眠いんです」と返ってきたら、仮説が間違っていたということになります。

次に同僚が同じしぐさをしていたら「あれ、眠いのかな」と考えるでしょう。これが仮説の修正です。

このように、仮説思考は私たちにとってなじみのある思考法なのです。

行動することが仮説思考のポイント

「仮説思考=仮説を立てること」という勘違いをしている人が多く見られます。

仮説思考は、仮説を立てることだけではありません。

行動(仮説の検証)まで含めて仮説思考です。

仮説を立てただけでは、それはただの憶測にすぎません。

仮説は検証することではじめて意味のあるものになります。

また、刻々と状況が変化するビジネスにおいては、この仮説と検証のサイクルを回すスピードも重要です。

仮説を立てたら検証に移る、それもなるべく速やかに

これが仮説思考の最も重要なポイントです。

仕事で仮説思考を3つの使うメリット

メリット

仕事で仮説思考を使うと次のメリットがあります。

結論を出すまでの時間が早くなる

仮説思考のメリットの一つ目は、分析思考と比べて結論に至るまでの時間が早くなることです。

なぜなら、結論を出すために情報収集する範囲を絞り込めるからです。

前述したとおり、従来の思考法である分析思考と仮説思考の違いの一つに以下があります。

仮説思考分析思考
情報収集の目的仮説があっているかを検証するためのピンポイントの情報を集める。正しい結論を出すためのさまざまな情報を集める。

仮説思考で収集する情報は、仮説を検証するためのピンポイントの情報です。

そのため、従来の分析思考のように、あれもこれもと情報を集める必要はありません。

仮説思考では、余計な情報収集の手間を省いて最小限の情報で最終的な結論に到達できます。

その分、結論を出すまでの時間が早くなります。

実際に仕事上の問題解決などに仮説思考を導入してみるとわかりますが、時間短縮の効果は非常に大きく、劇的に生産性が向上します。

そのため仮説思考は、時間が足りない中で意思決定しなければならないビジネスパーソンに最適の思考法と言えます。

より良い結論を出せる可能性が上がる

仮説思考のメリットの二つ目は、分析思考と比べてより良い結論を出せる可能性が上がることです。

なぜなら、仮説思考では仮説をもとに行動することで多くのフィードバックを得られるからです。

仮説思考と分析思考の違いに以下があります。

仮説思考分析思考
行動に対する考え方仮説がたった時点で行動する結論が出るまで行動しない

仮説思考では、仮説を立てたら速やかに行動、つまり仮説を検証することを重視します。

そして、たとえ仮説が間違えていたとしても、検証によって得られるフィードバックは価値があるデータです。

仮説を立てて検証する。

このサイクルを回すことで多くのフィードバックを得られ、よりよい結論に到達しやすくなります。

思い込みによる誤った結論出しを回避できる

仮説思考のメリットの三つ目は、思い込みによる誤った結論出しを回避できることです。

人は、過去の経験や偏見から多くの思い込みを持っています。

時に、この思い込みが結論を誤らせることがあります。

「これまでずっとこうだったから、今回もそうだろう」という思い込みで結論を出した結果、今回は違っていたということが往々にしてあります。

分析思考では、この思い込みに気づくことが困難です。

思い込みをあえて疑わない限り、その思い込みに関する情報を収集しようとしないからです。

ですが仮説思考では、実際に仮説の検証を行う中で、思い込みを否定するデータが得られることがあります。

実際のデータが思い込みを否定してくれることで、誤った情報出しを回避できます。

仕事ができる人はみんな仮説思考を使っている

仮説思考

仕事ができる人は、みんな仮説思考を使っています。

無意識か意識的かはともかく、彼らは常に何らかの仮説を持って課題に挑んでいます。

あなたが何かの問題に取り組んでいて、なかなか答えが見えないとき、上司や先輩に相談すると「ここはもう調べたの?」などと聞かれることはありませんか?

そのとき、上司や先輩はなんらかの仮説をもって「ここ」を抽出しています。

そして仮説を検証するというサイクルを自然に行っているのです。

そのため、人より答えを出すのが早く、高いパフォーマンスが出せるのです。

新人時代に「わからないことを質問するときは、自分なりの意見をもって質問するように」と教わった人も多いでしょう。

この自分なりの意見とは、仮説そのものです。

そして質問するという行為は、仮説の検証です。

つまり、この新人への教えは、「仕事ができるようになりたければ、仮説思考で仕事をしろ」という教えなのです。

仮説思考の実践

仮説思考の実践

ここからは、仕事で仮説思考を実践する方法を解説します。

仮説思考は、今ある情報から仮説を立て、検証し、仮説を修正するというプロセスを繰り返しながら真の結論に到達します。

仮説思考のプロセス

それぞれのプロセスについての実践方法を解説します。

●仮説を立てる
●仮説を検証する
●仮説を修正する

仮説を立てる

今ある情報だけを使ってとりあえずの仮説を立てます。

仮説思考では、当てずっぽうでも良いのでとにかく仮説を立てることが重要です。

仮説は間違っていても良いのです。

とはいえ、少しでも早く真の結論に至るためには、精度が高い仮説を持ちたいものです。

仮説の精度を高めるための重要な要素は「情報」「論理」「経験」です。

情報

仮説思考は、手持ちの情報をもとに仮説を立てるところからスタートします。

つまり、情報が仮説の起点になります。

そして、仮説の精度を上げるには、情報は整理されている必要があります。

情報とは整理することではじめて活用できるのです。

情報を整理するポイントは次の3点です。

  • 事実と意見を区別する
  • 定量的なデータはグラフで視覚的にわかりやすくする
  • 定性的なデータはロジックツリーやピラミッドストラクチャーで整理する
  • 事実と意見を区別する

事実は実際に起こった事象であり、客観的な証拠にもとづく信頼できる情報です。

一方の意見は、誰かの判断であり主観的な情報です。

主観的な意見をもとに仮説を立てると、仮説の精度は低くなります。

そこで、なるべく事実に基づいて仮説を立てるために、事実と意見を区別して整理します。

  • 定量的なデータはグラフで視覚的にわかりやすくする

数字だけ見ていては気が付かないようなことも、グラフにして視覚的に見えるようにすると気づけることがあります。

そのため、定量的なデータをグラフで視覚的にわかりやすく表現することは、非常に重要です。

  • 性的なデータはロジックツリーやピラミッドストラクチャで整理する

定性的なデータはグラフにはできません。

そこで、定性的なデータは構造化して整理します。

構造化とは情報を細かい要素に分解して、要素間のつながりを明らかにすることです。

要素間のつながりを明らかにすることで、情報をより正確に捉えられ、その情報から導き出す仮説の精度を高められます。

構造化するにはロジックツリーやピラミッドストラクチャーといったフレームワークを使うのが有効です。

ロジックツリーやピラミッドストラクチャーについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

論理

精度が高い仮説を立てるには、手持ちの情報から論理的に仮説を出すことが大切です。

立てた仮説が、手持ちの情報と矛盾していたら、その仮説が当たる可能性はほぼゼロでしょう。

仮説は持っている情報と矛盾しないことが重要です。

論理的に仮説を導き出すには、ロジカルシンキングのスキルが有効です。

ロジカルシンキングのスキルについては、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

経験

経験も仮説を立てる際に非常に重要な要素です。

過去に同じような状況を経験していれば、情報が少なくても仮説の精度はぐんと上がります。

場合によっては一気に真の結論に到達することもあります。

逆に、全く経験がない人が立てる仮説は当てずっぽうと変わらず、仮説の精度は非常に低くなります。

経験が浅い人でも仮説の精度を高められる有効な手段は、経験豊富な人に意見を求めることです。

経験者に意見をもらうことで、少なくとも当てずっぽうよりは精度が高い仮説が立てられます。

仮説を検証する

仮説の検証とは、立てた仮説が正しいのかどうかを確かめることです。

つまり、仮説の答え合わせです。

具体的には情報収集や分析を行い、客観的な判断材料を集めて仮説が正しかったかどうか見極めます。

このとき、分析思考のように広範な情報をやみくもに集めるのではなく、仮説を検証できる具体的な情報をピンポイントで収集し分析します。

情報を収集する主なアプローチは次の2つです。

  • 実験
  • 調査

実験

実験とは、実際に試すことです。

例えば、レストランの集客を上げるという課題に取り組んでいて、「メニューを増やせば集客の増加が見込める」という仮説を立てた場合、実際にメニューを増やしてみるのが実験です。

実験は仮説の検証において非常に有効な手段です。

ただし、実験は費用や時間がかかります。

コストを抑えるには、ある一定の条件に絞って試すのが有効です。

例えば、一部の地域に限定して試すとか、一部の商品に絞って試すとかいった具合です。

調査

実験が行えない場合や、検証のコストを抑えたい場合は調査を行います。

仮説の検証にはヒアリングやアンケート調査が有効です。

例えば、レストランに来たお客さまに「メニューが増えたらもっと頻繁に来たいと思うか」というアンケートをとるといった具合です。

実験と比べると検証の精度は落ちますが、低コストで簡単に実施できます。

仮説を修正する

仮説を検証した結果、最終的な結論に至らなかった場合は、検証で得られたデータをもとに仮説を修正します。

仮説の修正には、次の2つの方向性があります。

  • 仮説の進化
  • 仮説の破棄

仮説の進化

仮説の進化とは、検証結果にもとづき仮説を発展させて最終的な結論に近づけることです。

例えば、検証結果が次のようなものだったとします。

「メニューを追加したら集客が増加する」という仮説を検証した。

結果は、残念ながらメニューの追加に興味を示したお客様は少なく、仮説は当たらなかった。

しかし、子供連れのお客様だけはメニュー追加に関心が強いことがわかった。

この場合、もとの仮説を発展させて、「小さい子供でも食べられるメニューを増やすとともに、キッズスペースを作るなど子供向けのサービスを充実させることで、子供連れのお客様の集客を増やせる」というふうに仮説を進化させられます。

このように、仮説を進化させながら、最終的な結論が出るまで仮説の検証と修正を繰り返します。

仮説の破棄

最初に立てた仮説が明らかに間違っていて、仮説を破棄しないといけない場合もあります。

この場合、またイチから仮説を組み立て直さなくてはいけません。

ですが、仮説を検証した結果のデータが手元に残るため、そのデータをもとに、最初よりは精度が高い仮説が立てられるようになります。

仮説は、たとえ間違っていても全く無駄になることはありません

そのため、仮説思考ではとにかく早く仮説を立てて早く検証することを重視しているのです。

まとめ

仮説思考とは

「仮説思考とは何か」や「仮説思考の実践方法」を解説しました。

仮説思考で考えることで、より良い結論を早く出せるようになります。

そのため、仮説思考はじっくり情報収集する時間がとれない現代のビジネスパーソンに最適な思考法といえます。

仕事ができる人はみんな仮説思考を使っています。

あなたも仮説思考を身につけて、仕事の生産性を向上させましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

新卒で就職したものの、周りの人より仕事ができなくで絶望する。
それでも、なんとか仕事で成果を出せる人間になろうと努力し勉強。
2回の転職を経て、現在はプライム市場上場企業でプロジェクトリーダーを任されるまでに成長。

そんな私が社会人歴23年で積み上げた知識や経験から学んだ「明日から使える成果に直結するビジネススキル」を発信します。

目次