「会社で目標管理をやっているけど、いったい何の意味があるんだろう」
そんな疑問を持っていませんか?
目標を考えるのって時間を取られるし面倒。
立てた目標はどうせすぐ忘れちゃう。
だから、目標管理って意味がない。
そう思ったこと、ありますよね。
多くの企業や組織が目標管理制度を導入していますが、ただの人事考課のための制度になっていて、目標管理の本来のメリットを引き出せていない組織が多くあります。
そんな組織にいると、「目標管理って面倒」としか思えなくなってしまいます。
ですが目標管理は、本来のメリットを理解してうまく利用することで、自己成長のツールとして活用することができるのです。
本記事では、目標管理とはどういう意義があるものなのか、うまく活用すればどういうメリットを得られるのかを解説します。
そもそも目標管理とは
目標管理とは、業務に対する目標を自ら設定させ、目標の進捗管理や達成度の確認も主体的に行うマネジメント手法です。
目標管理の英語名は「Management By Objective and Self Control」というため、頭文字を取ってMBOと呼ばれることもあります。
マネジメントの神様とも称されるP.F.ドラッカーが、著書『現代の経営』の中で目標管理を提唱したことから広まりました。
目標管理の特徴
目標管理の特徴は、組織の目標と個人目標を結びつけることにあります。
目標管理における個人の目標は、組織の目標を達成するための一部でなくてはいけません。
そのため、必ず上司との話し合い(面談)を行い、個人の目標と組織の目標がつながっているかを確認します。
もし、個人の目標と組織の目標の間にギャップがあれば、上司のサポートを受けながらギャップが埋まるよう個人目標を修正します。
目標の達成度が組織への貢献度の指標としてわかりやすいことから、日本では人事考課のための制度としても広く使われています。
目標管理の残念な現状
目標管理がただの人事考課の道具として使われている組織では、目標管理をうまく運用できていない場合があります。
あなたの目標管理は次のような残念な状態になっていませんか?
●目的がわからないまま目標の提出が強制されている
●上司がOKを出す目標を立てることが目的になっている
目的がわからないまま目標の提出が強制されている
あなたの組織では目標管理の目的やメリットがちゃんと説明されているでしょうか。
目的を十分に説明しないまま、目標管理を運用している組織がたくさんあります。
そんな組織にいると、目的がわからないまま目標を立てることだけ強制され、やらされ感しか感じません。
そうなると、目標管理の時期になるたびに「また今年も目標管理の時期か。面倒だなぁ」とモチベーションが下がってしまいます。
上司がOKを出す目標を立てること目的になっている
とにかく上司がOKを出す目標を立てることが目標管理の目的になっていませんか。
耳触りがよい言葉を並べて、上司を説得できるいい感じの落とし所を探して、目標面談を通過した途端に目標のことは忘れてしまう。
そして成果面談のときになって目標を思い出し、実際にやってきたことと目標を適当にこじつける。
そんな目標管理は、時間の無駄です。
実際、「目標管理の作業や面談の時間がもったいない」「その時間を業務にあてたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
目標管理の本来のメリット
本来、目標管理には次のメリットがあります。
●仕事のモチベーションが上がる
●組織の中での自分の役割を理解できる
●自己肯定感が高まる
●評価が上がる
仕事へのモチベーションが上がる
人は、他人から与えられた目標に取り組むより、自分で立てた目標に取り組む方が、モチベーションが高くなります。
社会心理学ではこれを目標設定理論といいます。
目標管理では、仕事のゴールや進め方といった目標を、上司から与えられるのではなく自分で設定します。このとき、自分が納得してチャレンジできる目標が設定できれば、目標設定理論によりモチベーションが上がる効果があります。
モチベーションが上がれば、集中して仕事に取り組めるようになり、同じ仕事量でより高い成果が出せるようになります。
自分の仕事の意義を理解できる
目標管理における個人の目標は、組織の目標に紐付いている必要があります。
そのため、目標を設定するときは組織の目標につながるように個人の目標を設定します。
すると、個人の目標を達成することで組織の目標達成にどう貢献できるのかを理解できるようになります。
自分の仕事が組織にとってどういう意義を持っているのかがわかるようになるのです。
自分の仕事の意義を理解し、「自分も組織の成果に貢献できるんだ」ということを実感することで、モチベーションもアップし、より高い志で仕事に取り組めます。
自己肯定感が高まる
目標を設定することで、仕事の進捗や成果を測定できるようになります。
目標と実績を比較すれば、自分の仕事が良くできたのか、至らない点があったのかを判断できます。
最初に立てた目標が達成できたことが目に見えてわかるため、それが自信につながり「やればできる」という自己肯定感を高められます。
評価が上がる
人事評価を上げるには成果を出すのはもちろんですが、その成果を以下に査定面談でアピールできるかも重要な要素です。
アピール上手なほど自分の成果を余すことなく売り込めるため、成果を評価につなげやすくなります。
自分が今期どれだけの成果を出したのかをうまくアピールするには、何らかの比較対照が必要です。
例えば他の人と比べて成果を出せた、前期の自分と比べて成果を出せたなど、何かと比較することで納得感が増し、上司に成果を認められやすくなります。
目標も、比較対象の一つになります。
目標を持っていれば、「目標をこれだけ達成できました」「目標と比較してこれだけの実績を出せました」というアピールができるようになります。
目標と実績を比較することで成果を客観的に示せるようになるため、上司もあなたの成果を承認しやすくなり、評価が上がります。
目標管理を活用して自己成長しよう
目標管理をツールとしてうまく活用することで、成果や自己成長につなげられます。
どうせ、目標を立てなきゃいけないんです。
それを適当にやるか真剣にやるかはあなた次第ですが、どうせやるなら自分の成長や能力向上のために目標管理を利用する方が得策です。
目標管理のメリットを十分に理解したうえで、一度真剣に目標を立ててみましょう。
真剣に考えて、納得できる目標が立てられれば、仕事に対するモチベーションが上がり、高い成果を出せるようになります。
自分の成果が組織の成果につながっていることも実感できます。
成果を出す過程で、あなたの仕事の能力は確実に成長するでしょう。
そうすれば自信がつき、自己肯定感がアップします。それが、さらなる成長に向けた一歩にもなります。
「一年の計は元旦にあり」と言いますが、「自己成長の計は目標管理にあり」です。
ぜひ一度、目標管理に真剣に取り組んでみてください。
目標管理を活用して自己成長しましょう!