仕事で必要な「伝わる」コミュニケーション能力の高め方|苦手を克服しよう

伝わる コミュニケーション 能力

コミュニケーションが苦手な人でも、中堅レベルになってくると業務におけるコミュニケーションの比率が上がってきます。

そのため、適切なコミュニケーションをとれるかどうかや、伝えたいことが正確に伝わるかが仕事の生産性に大きく影響します。

本記事では、コミュニケーションが苦手な人向けに、「伝わる」コミュニケーション能力の高め方や、コミュニケーションミスを防ぐポイントを解説します。

目次

「伝わる」コミュニケーション能力とは

伝わる コミュニケーション

「伝わる」コミュニケーション能力とは、伝えたいことを正確に相手に伝える能力です。

「伝わる」コミュニケーションでは、具体的に次の3つの能力が必要になります。

●信頼を得る能力
●共感を得る能力
●納得を得る能力

信頼を得る能力

コミュニケーションでは、伝える情報を信用してもらう必要があります。

そのため、相手を信頼し自分を信頼してもらうところから、コミュニケーションはスタートします。

自分を信頼してもらうためには、相手の立場を理解して、認めることが必要です。

人は、自分を承認してほしいという承認欲求をもっています。

そのため、相手を社会的な存在として認め、相手の立場を考えた言動を心がけることで、相手も自分を信頼できる人と認めてくれるようになるのです。

相互承認による信頼関係が築けて、初めて有効なコミュニケーションがとれるようになると言っても過言ではありません。

特に、信頼関係がまだ構築できてない初対面の人とコミュニケーションを取る際は、公開されている相手の社会的地位や専門分野、仕事の実績を事前に知っておくことが大切です。

相手のことを知っているだけで、スムーズに相手の立場を理解し認めることができるため、円滑に信頼関係の構築ができます。

「伝わる」コミュニケーションには、相手のことを理解して認めることで信頼関係を構築する能力が必要なのです。

共感を得る能力

円滑なコミュニケーションを図るためには、相手からの共感を得ることも必要です。

共感を得るとは、自分がおかれている状況や立場、伝えたいことを相手に同意してもらうことです。

そのためには、相手が理解できる言葉、表現を使うことが重要です。

相手が持っている知識や経験をふまえた言葉や表現を使わなければ、どんなに頑張って伝えようとしても相手に理解されず、共感を得ることはできません。

相手の持っている知識や経験を踏まえた言葉や表現を使う能力が、「伝わる」コミュニケーションに必要です。

納得を得る能力

仕事では、相手に情報を伝えるだけではなく、相手の行動を促すことが目的のコミュニケーションも多くあります。

相手の行動を促すには、相手に納得してもらうことが必要です。

しかし、人は自分が期待していない物事に対しては、抵抗する傾向が強い性質があります。

そのため、相手の納得を得るには相手が何を期待しているかを理解し、相手の期待に添うように情報を提供・提案することが大切です。

例えば、お客様が何を期待しているかを理解していなければ、どんなに商品を説明しても買ってもらうことはできないでしょう。

反対に、お客様が何を期待しているかを理解し、期待に添った説明ができれば、商品を買ってもらえる可能性が高くなります。

「伝わる」コミュニケーションには、相手が何を期待しているかを理解し、期待に添った情報を提供・提案する能力も必要になります。

「伝わる」コミュニケーション能力が重要な場面

コミュニケーション能力 場面

中堅ビジネスパーソンやリーダークラスになると、業務の半分以上がコミュニケーションに費やされます。

そのため、「伝わる」コミュニケーション能力は、仕事を円滑に進めて生産性を上げるために必要な能力です。

特に、次のような場面では「伝わる」コミュニケーション能力が重要になります。

●認識のずれを無くしたいとき
●合意を形成したいとき
●協力を得たいとき

認識のずれを無くしたいとき

チームメンバー同士の認識のずれをなくしたい場面では、「伝わる」コミュニケーション能力が重要です。

チームで協力して成果を出していくためには、関係するメンバー全員が同じ情報を正確に共有する必要があります。

ですが、同じチームで仕事をしているメンバー同士でも、目指す目標や計画に対する認識、熱意は必ずしも一致していません。

そんなメンバー同士が協力して高い成果を出すためには、自分の持っている情報を伝え合い、目標や計画に対する認識のずれをなくしていくことが必須です。

自分の持っている情報を伝えて理解してもらうためには、相手の信頼や共感を得る能力が重要になります。

合意を形成したいとき

仕事は、上司や他部門と合意を形成しながら進めます。

この合意形成の場面でも、「伝わる」コミュニケーション能力は重要です。

合意形成とは、関係する人が互いに納得しながら意見の一致を図ることです。

円滑に相手と合意形成するには、相手の信頼や共感を得て、自分の情報に納得してもらう必要があります。

そのため、合意形成では相手の信頼や共感、納得を得る能力が重要になります。

協力を得たいとき

相手の協力を得たい場面でも、「伝わる」コミュニケーション能力は重要です。

仕事では、上司や部下、他部門の協力が必要な場面がたくさんあります。

そんな場面で、スムーズに相手の協力を取り付けるには、自分の立場や情報を正確に伝えて、協力に対する納得を得ることが重要になります。

そのためには、相手が何を期待しているかを知り、期待に添った情報を提供・提案して相手の納得を得る能力が重要になります。

「伝わる」コミュニケーション能力の高め方

コミュニケーション能力 高め方

「伝わる」コミュニケーション能力は、誰でも高めることができます。

そのためには、まずコミュニケーションの種類を知ることが必要です。

コミュニケーションには2種類ある

コミュニケーションには次の2種類があります。

  • 言語コミュニケーション
  • 非言語コミュニケーション

言語コミュニケーション

言語コミュニケーションとは、伝えたい情報を文字や言葉で相手に伝えるコミュニケーションです。

一般にコミュニケーションと聞くと言語コミュニケーションを思い浮かべることが多いでしょう。

非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションとは、「話し方」や「しぐさ」、「表情」などの、言語以外の方法で情報を伝えるコミュニケーションです。

人は、アイコンタクトやジェスチャーといった言語以外の方法でも、感情や考えを伝えることができます。

「伝わる」コミュニケーションの93%が非言語コミュニケーション

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによる実験で、人が相手からの情報を読み取る要素の割合は図1の通りであることがわかっています(これをメラビアンの法則と言います)

メラビアンの法則
図1.メラビアンの法則

メラビアンの法則によれば、人が情報を判断する基準として、情報発信者の言葉の内容はわずか7%にすぎません。

残りの93%は声の大きさや話し方、身だしなみや話す表情・動作と言った非言語要素です。

そのため、「伝わる」コミュニケーション能力を高めるには、非言語コミュニケーションを活用することが必須です。

コミュニケーションが苦手な人ほど非言語コミュニケーションを活用しよう

仕事でのコミュニケーションには、メールやチャット、電話などの音声通話、リモート会議や対面(Face to Face)などのさまざまな手段があります。

自分は「コミュニケーションが苦手」だと思っている人ほど、メールやチャットに頼りがちです。

ですが、メールやチャットによるコミュニケーションは、言語コミュニケーションであり、メラビアンの法則のコミュニケーション要素の7%しか使っていません。

コミュニケーションが苦手だと思っている人ほど、音声通話やFace to Faceを活用して、残りの93%を駆使することが大切です。

もしハードルが高いのであれば、最初にメールやチャットを送ってコミュニケーションのきっかけを作り、その後に電話をしたり会い行ったりするといった、複数のコミュニケーション手段を組み合わせる方法をオススメします。

非言語コミュニケーション実践の4つの極意

非言語コミュニケーションを実践する上で、押さえておきたい4つの極意があります。

パーソナル・スペースを意識する

パーソナル・スペースとは、他人に近づかれると不快に感じる空間のことであり、相手との距離や角度、視線の高さなどが影響します。

あなたも、人に近かれすぎたり、物理的に上から目線で話されたりすると不快に感じるでしょう。

相手に安心して話を聞いてもらうために、次のことを意識してみましょう。

  • 相手に近づきすぎず、離れすぎない
  • 上から目線にならないよう、視線の高さをなるべく合わせる
  • 正面から対峙せず、斜めから話す

セルフ・プレゼンテーションを意識する

セルフ・プレゼンテーションとは、自分が相手からどう見られたいかという印象を操作するテクニックです。

あなたにも、ラフな服装の相手よりスーツを着ている相手の方が信頼できるといったイメージがあるのではないでしょうか。

自分を信頼してもらうためには、身だしなみや髪形を整えたり、香水の香りがきつくないようにしたりといったような、セルフ・プレゼンテーションを意識することが必要です。

ボディ・ランゲージを意識する

ボディランゲージとは、身ぶり手ぶりや態度、表情、アイコンタクトなど、体を使った情報伝達のことです。

コミュニケーションを取るときは、自分の何気ない表情や態度が相手に不快な思いを与えていないか意識する必要があります。

また、どういった表情や態度で話せば相手に好感を与えるのかをよく考えてコミュニケーションを取ることが大切です。

相手に好感を与えるようにボディ・ランゲージを意識することで、相手の信頼や共感を得やすくなります。

また、相手に業務指示を出すときなどには、言葉で伝えるだけではなく実際にやってみせることで、相手が理解しやすくなります。

パラ・ランゲージを意識する

パラ・ランゲージとは、話すときの声の大きさやトーン、話すスピードのことです。

コミュニケーションでは、話し手の声の大きさやトーンによっても大きく印象が異なるため、状況に応じて使い分けることが重要です。

また、日本語の文章は語尾によって「否定形」か「肯定形」かが決まることが多いため、語尾が聞き取りづらいと情報が正確に伝わりません。最後まで明瞭に話すことを心がけましょう。

コミュニケーションミスを防ぐ5つのポイント

コミュニケーション ミス

コミュニケーションミスを防ぎ、コミュニケーションを円滑にするポイントを5つ解説します。

●相手が理解できる言葉を選ぶ
●相手が相づちや質問を入れているか気にかける
●相手の話に相づちや質問を入れる
●相手の話を最後まで聞く
●自分の意見を言う

相手が理解できる言葉を選ぶ

相手が理解できない言葉や表現を使うと、相手は話の内容を正確に理解できず、コミュニケーションミスにつながります。

コミュニケーションでは、相手の経験や知識のレベルを考慮して、相手が理解できる言葉や表現を使いましょう。

相手が相づちや質問を入れているか気にかける

自分の話を相手が黙って聞いている場合、自分が話し上手だと思ってはいけません。

人は話が理解できなくなったり、興味が無くなったりすると沈黙する場合もあります。

その場合、自分ではしっかり伝えたつもりでも相手には全く伝わっていないといったことになってしまいます。

相手が、自分の話に相づちを入れているか、適切な質問を挟んでいるかを気にかけ、相手の理解度を測りながら話をすることがポイントです。

相手の話に相づちや質問を入れる

コミュニケーションは双方向の意思伝達です。自分が相手の話に相づちを入れたり質問をしたりしながら話を聞く努力をすることで、相手も自分の話をよく聞いてくれるようになり、密なコミュニケーションができるようになります。

相手の話を最後まで聞く

相手の話を遮って意見を述べたり話の腰を折ったりすると、相手は不快に感じます。

コミュニケーションは双方向の情報伝達なので、相手が言いたいことを最後までしっかり聞いてから、自分の意見や質問を投げるといった、キャッチボールを意識しましょう。

自分の意見を言う

相手から意見を求められた時は、自分の意見を話すようにしましょう。

意見があるのに黙っていて、後で「自分はそう思っていなかった」と言うような態度では、コミュニケーションは成り立ちません。

その場で、意見を出し合い議論することが、コミュニケーションミスを防ぐポイントです。

自分の意見をわかりやすく伝えるには、ロジカルシンキングのピラミッドストラクチャーを使って話を整理すると良いでしょう。

ピラミッドストラクチャーで意見(主張)を整理する方法は、次の記事にまとめています。

まとめ

伝わる コミュニケーション 能力

「伝わる」コミュニケーション能力を高める方法や、コミュニケーションミスを防ぐポイントを解説してきました。

「伝わる」コミュニケーションは、メラビアンの法則の93%にあたる非言語コミュニケーションを駆使することが大切です。

コミュニケーションが苦手な人ほど、非言語コミュニケーションを意識して使うようにしましょう。

「伝わる」コミュニケーション能力を高めて生産性を向上させることで、今以上に成果を出せるようになります。

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この記事を書いた人

新卒で就職したものの、周りの人より仕事ができなくで絶望する。
それでも、なんとか仕事で成果を出せる人間になろうと努力し勉強。
2回の転職を経て、現在はプライム市場上場企業でプロジェクトリーダーを任されるまでに成長。

そんな私が社会人歴23年で積み上げた知識や経験から学んだ「明日から使える成果に直結するビジネススキル」を発信します。

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